次世代継承学

【第31話】認めて欲しいけど、人を認めるのは苦手。

「どんなに醜態であろうと、自分の真実の姿を告白して、それによって真実の姿をみとめてもらい、あわよくば真実の姿のままで愛してもらおうなどと考えるのは、甘い考えで、人生を舐めてかかった考え方です。」
小説家の三島由紀夫さんは、ありのままの自分について考えさせられる言葉を残しています。

「自分の真実を隠して生きることは、長期的には心の健康を害する。真実の自分を受け入れてもらうことで、真の幸福を得られると思う。」
真実の姿を告白することは、自分自身を隠さずに生きるための正当な手段だという意見があります。
人は誰しも完璧ではなく、その不完璧さを受け入れてもらうことで、真の意味での愛や友情を得られるのだと。

「社会は厳しい。真実の自分をさらけ出すことで、人間関係が悪化するリスクがある。プライベートなことは、内緒にしておくべきだと思う。」
一方、真実の姿を告白することは、他人に依存して負担を掛けていく考え方だという意見があります。
人は社会の中で生きており、自分の醜態をさらけ出すことは、他者との関係を悪化させるリスクがあるのだと。

ありのままの自分をさらけ出すことは正当な手段なのか。
それとも自分勝手なワガママを肯定する方便なのでしょうか。
あなたはどう思いますか?

発信・編集・受信。
現代はすべての工程を取り繕えるがゆえに、完璧な自分を演出するプレッシャーが増しています。
例えば統計によれば、75%の若者がSNS上での自分のイメージにプレッシャーを感じているそうです。

専門家曰く、その理由は、心理的安全性が脅かされており、自己防衛のために真実を隠しているのだと言います。
そして近年では、真実を公にして、受け入れてもらうことが生きやすさに繋がると言われています。

真実を隠し続けることは、精神的なストレスや抑うつを引き起こすことがあります。
その意味では、さらけ出すことは必要なことだと思います。

「秘密の共有は共罪に繋がるように、さらけ出される側には寛容が強要される。」
文化、宗教、LGBTQ+。
さらけ出す側の視点に立てば、公開は良いことかもしれません。
しかし問題は、隠された真実を公開された側の負担にあります。

配慮が行き届く社会、何でも許容出来る人間ばかりではありません。

だから従来のマイノリティは、価値観の揃った小さなコミューンの中で公開して善き紐帯を育んで来ました。
しかし現代では、公開の範囲が世間一般に変わりました。
そして、世間で尊重されないと抑圧や差別という声が挙がります。

何がそうさせているのでしょうか。
あなたはどう思いますか?

「自分を認めて欲しいけど、他人は認められないんです。」
私たちの誰もが秘密を抱えて生きています。
公開しようが秘匿しようが、それは自分次第です。

しかし問題は、自分は優しくしてもらいたいのに、他人には優しくない人たちです。

「自分だけに優しい世界は、相手に優しさを配らない世界である。」
抑圧を受けず、我慢をしないこと。
それが現代における、生きやすさの定義になりつつあるのではないでしょうか。

もしそうならば、私たちは表現の自由だけでなく、表現の範囲についてもっと真剣に考えるべきなのかもしれない。
そんなことを考えさせられました。

あなたはどう思いますか?


※三島由紀夫についてより深く知りたい ※ありのままの自分 とは ※エヴァンゲリオン とは

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似たような情報や視点に囲まれてしまう現代社会。
この先もネットの情報はますますあなたに
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でもそれで本当に良かったのだろうか?

成功事例の横展開が業界にイノベーションをもたらすように、
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共通点を繋ぎ、線と面で捉え直すこと。

それが我々の贈る言葉の特色であり、
情報から光を引き出す編纂技術だと考えています。

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コメント

  1. なべ

    人から好かれたい。この気持ちは誰にでもあるかなと思いますしみんな承認欲求が人は強いからこそ真実の自分ではなく偽りの自分で凄いなど肯定的な言葉を言って欲しいのだなと思います。
    自分もその1人なので。

    また、秘密を受け取る側の気持ち。この考えはなかったです。
    言った側は気持ちいいかもしれないし秘密を共有してあげたんだよ。みたいな気持ちになると思うのですが受け取り側、これは見えなかった考え方でした。

    また、自分をさらけ出すには時間が1番必要だなと感じました。
    範囲を決めず全員に自分の素で社会に出たらそれは自分勝手なわがままだと思うが、狭いコミュニティーの中で自分と時間を長く共有し長く付き合いたいなどと思う人に素を出すことは長期で見ると正当な手段で精神的にもストレスがないのかなと思いました。

    自分も人から認められたい気持ちは強いがSNSはやらないことにしてます。
    これはプライベートをあんまり人に知らせたくないのもありますが1度何かを投稿したらこれもしなきゃこれもしなきゃとSNS上での自分もイメージの事をすごく考えるなと思ったからです。
    YouTubeでもBADの評価が見えなくなったのはそんだけSNS上での自分の見せ方プレッシャーがありそれで認められなかった時にものすごくストレスがかかるかなと。

    こんだけやってるんだから認めて。この気持ちは生きていたら結構出るかなと思うが自分の評価と他人の評価の現在地がズレその乖離が起きるからこそストレスがあり生きにくくなるかなと。
    自分のちっぽけなプライドなどを捨て自分自身を1番認めてあげたら相手に優しさを配れる人になるのではないかなと思いました。

    • 青木コーチ

      コメントありがとうございます!

      「自分をさらけ出すには時間が1番必要だなと感じました。」
      この言葉が印象に残りました。

      「初めて会った人から美味しい話を持って来られても警戒しかしませんよ。」
      以前、そんなことを毅然と話す学生がいました。

      しかし、配属が営業になり立場が変わりました。

      「営業のノウハウ・テクニックで、自己開示をすべしと書いてあったので意識してます。」
      お客様と心理的距離を縮めるためには、自分の弱い部分や秘密の部分を開示せよと教わったそうです。

      状況に応じて、人は役割を変えて、時には信条も変えないといけない時が来ます。
      目の前の人が秘密をわざわざ打ち明けて来た時、その秘密の裏には、実は釈然としない歪みがあったりします。

      それを理解して対話出来る人は貴重だなと。
      そんなことを考えさせられました。

  2. きの

    ありのままの自分をさらけ出すことは正当な手段なのかということに関しては、僕は使い分けています。

    まずさらけ出さない場所について。

    感覚的なところですが、この人は自分を利用しようとしているのではないかという感や、相手がどういう人間なのか分かることが多いので、そういうときは相手が何を考えているのか洞察にシフトします。

    そしてさらけ出す場所について。

    これも直感的なところですが、自分に向き合おうとしてくれている人にはすべてをさらけ出している気がします。

    ただ、僕はアウトプットが苦手なので、すべてを知ってもらうまでの過程で、出しすぎて変に思われることも多いです。

    ぶっちゃけ今の課題はここです笑

    ただ、最近は全部を見せることが正義でもないと思っていて、言語化はできてないのですが、見せすぎると関係構築に逆に時間もかかるなってことに気づきました。

    おそらく余計な勘違いを生んでしまうからだと思います。

    だれでもそうであることでも、それを口にするかどうかでマイナスに働くことがあるということは学びました。

    来年はこのアウトプットする塩梅を身につけてコミュニケーションをうまく取れるようになりたいとおもっています!

    そしてSNSでは、僕は自分の価値観をとことん発信し続けることで、仲間を作ることを意図しています。

    だから人が言えないことをいったり、イノベーターであり続けることを意識しています。

    ぶっちゃけ自己満が9割ではありますが、価値観や思いに関しては、さらけ出す必要があると思ってて、大衆には訴え続ける必要があると思ってます。

    走り書きですが今書いてて3つにさらけ出す項目が分かれるなと思って、

    価値観や思いはマストで伝え続ける。

    世間的にマイナスなことはさらけ出さない。

    弱みや過去は付き合ってくれる人には伝える。

    僕の生き方のスタンスですが、この3つを意識したらより良くなりそうだなって思いました!

    世間的にマイナスなことはさらけ出さないが来年の課題です!笑

    最後に、自分だけに優しい世界は、相手に優しさを配らない世界である。に関して最近思うことは、金がかなり関係してるなって思います。

    金の切れ目が縁の切れ目といいますが、その思考を持っている限り、相手にも優しくなれないなって思います。

    僕自身そうだったのですが、相手のことを考えれないときはお金のことだけを考えていました。

    それから少しずつ抜け出せてきたのですが、幸福度の指標の選択肢を増やす、もしくはお金以外のところに幸福の価値を感じる。

    本記事における幸福の範囲を広げることが大事だなって思います。

    そしたら自然と人が一番大切なものと思うようになって、お金ではなく人に優しくなれるようになった気がします。

    これまでの僕はお金ばかりを見て生きてきたので、来年の自分がビジネスマンとしてどうなるのか楽しみです!

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