この世界の「間を巡る力」とは。
「私たち人間は、時代が進むにつれて進化している。」
そう考える人は多いですが、本当にそうなのでしょうか。
進化したのは人が生み出したもの――技術や芸術、文化や人工物――であって、人そのものは本当に進化しているのでしょうか。
言語や文化が違えば見える世界が変わり、パラダイムが違えば志向する世界観が変わり、制度や社会が違えば思想の解釈は変わります。
世間、時間、空間。
何かが、いつか、どこかで、別の何かに影響されると「間」が変わる。
間が重なり織り成す模様を、存在がその痕跡を継承することで幾星霜の紐帯は紡がれて来ました。
つまり、私たちは、”折り重なる間と彩り変わる間”を知覚して、歴史と呼んでいるということです。
そこには、間違いなく、間を巡る力学が働いています。
よって私は、知覚範囲の内外に関わらず、この世のすべての存在は”影響を志向するもの”と定義しています。
そして私は、この巡る力そのものを”響鳴”と名付けています。
「あなたは、あなたの瞳に映る世界に、何を残して、世界にとってどのような存在で在りたいですか?」
次世代継承学とは何か。
一言で言えば、“何をどう残していくべきか”を志向し選択するための学問と定義しています。
すべての存在は関係性に影響を与えて、やがてどこかに還元されていく。
影響作用に宿る意義と意味を多彩な観点から引き出すこと。
私はこうした思想を“響鳴主義”と名付けています。
例えば響鳴主義によれば、社会とは、関わる存在の影響作用によって構成されゆくものと捉えています。
私は、思想に美しさを求めます。
美しさとは、”高潔・洗練・均衡”による総体だと定義します。
そう在らしめるためには、人間の尺度を越えて然るべきだと考えます。
私は、言葉は走るものだと捉えています。
人間とは、事を知覚して間を巡る存在です。
言葉とは、間を繋ぐための記号です。
私の喜びは、”追求の美学を志向すること”です。