事例分析

【CASE 3】リクルートのECモールサービス終了からみた考察

今回は、約11年間運営したECモール「ポンパレモール」のサービス終了を発表した、リクルートについて考察していきます。

結論:リクルートがECモールを撤退した理由は〇〇だった!

ポンパレモールは、リクルート系列の流入口とPontaポイントの母数だけ見れば、日本の総人口の9割はリーチできると言っても過言ではありません。

それなのに、なぜ撤退を余儀なくされてしまったのでしょうか。

背景考察

▶考察1
ECモールにはテナント型とマーケットプレイス型の二つがあり、ポンパレモールはテナント型のECモールです。


また一般的に、ECモールの競争優位性は、利用料、集客販促、在庫物流サポートに集約されると言われています。

そこで、ポンパレモールは9000万人(当時)にリーチするポイントサービスのPontaポイントと提携したポイント利用に勝機を見出していました。

さらに、リクルート系列(じゃらん、HOT PEPPER、スーモ、タウンワーク)の流入口もありました。


▶考察2
しかしながら優位性の条件は変わっていくのに対して、ECサイトにおける販売商品のトップは食品とアパレルであり、この傾向は十年前からさほど変わっていません。

もっと言えば、大量生産、大量消費、大量廃棄に当てはまるジャンルが売れ筋とされています。

大手ECモールの楽天、Amazon、Yahooショッピングに追従する形で、ポンパレモールも専門モールではなく総合モールという立ち位置でした。

かつてZOZOTOWNが軌道に乗ったのは決して偶然ではなく、販売ジャンルトップのアパレルに焦点を絞ったからだと言えるでしょう。

もしかしたら総合モール市場は既に飽和してしまっていたのかもしれません。


▶考察3
 ECモール側の主な収益源は、初期登録料、各店舗の売上に応じた手数料、広告露出に関する追加費用です。

出展者がなぜモールを頼るかというと、それは圧倒的な集客効果とフルフィルメントサポートにあります。

とはいえ、ECモールというのは販売管理の側面上、画一的なサイトデザインになってしまうため、こだわりのある店舗からすると評判は良くありません。

また出品者側の立場に立てばECモール経由の購入は手数料が掛かるため、いずれは自社サイトに誘導したいと考えています。

そんな中で、もしもECモール側が売ることに焦って値引きが常態化していたとすれば、そもそも値引きがなければ売れない状態が蔓延して行き見切られたとも考えられるでしょう。

まとめ

ポンパレモールが成功要因として見出していたポイント利用は、実は消費者の重要欲求要因に照らし合わせると外していた可能性があります。

とは言っても完全に外していたわけではなく、カッコよく言えばポイ活という概念に大半の消費者が追いついていなかったのかもしれません。

つまり、リクルートは一度ECモールから徹底しますが、おそらくこれは戦略的撤退だと考えられます。

リクルートの各媒体の終着点は必ず必要となるため、この先、ポイ活や仮想通貨に対する理解が深まってから、再度チャレンジしてくると予想できます。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA