次世代継承学

【第22話】情報の大洪水を渡り切るための乗船許可証

「決断ができない人間は、欲望が大きすぎるか、悟性が足りないのだ。」
フランスの哲学者デカルトは、決断が出来ない理由について考えさせられる言葉を残しています。

「人間の欲望や感情が決断の障害となっている。」
欲望をコントロールすることが決断力を高める鍵になるという意見があります。
欲望主義者は、人間の行動や選択は基本的に欲望や感情に基づくとする立場の人々を指します。
彼らは、人は自分の欲望を満たすために行動すると考え、それが人間の本質であると主張します。

つまり、欲望や感情に流される人間は、短期的な利益を追求する決断をする。
それは、長期的な利益を見失うということです。

「人間の理性や知識が不足していることが決断の障害となる。」
一方で、知識や教養を深めることが決断力を高める鍵であるという意見があります。
悟性主義者は、人間の行動や選択は理性や知性に基づくとする立場の人々を指します。
彼らは、人は理性をもって行動や選択をするべきであり、それが真の人間らしさであると主張します。

つまり、十分な知識や情報がない状態での決断は、誤った方向に進むリスクが高いということです。

私たちは、選択肢から一つを選ぶという決断を下しています。
それも毎日、毎時間、一瞬一瞬です。

情報過多の時代とも言われる現代社会において、決断の難しさが潜在的な課題に挙がってきています。
私たちの多くが、日常的な決断に迷いや不安を感じています。

「倫理とは、文化圏によって異なることのない、普遍的な価値を指す。」
哲学者のマルクス・ガブリエル氏は、コロナをきっかけに倫理や道徳が世界の価値観の中心になると語ります。
そして、科学は道徳を考える上で役に立ち、数字という根拠を与えてくれるが、道徳にはなり得ないと。

それはつまり、決断は効率に基づく最適解ではなく、倫理に基づく最適解であるべきだということです。

近年、偽情報やフェイクニュースが拡散されることが問題となっています。
この背景には、人々が自分の欲望や感情に基づいて情報を選択・共有する傾向があるとされています。

つまり、自分の考えや立場を補強する情報を選び、それを共有することで、自分の欲望や感情を満たそうとする動きです。

一方で、ファクトチェックも注目を集めています。
情報を冷静に分析して真偽を確かめるためには、悟性や理性を持つべきだと。

つまり、情報を受け取る際に自分の欲望や感情を排除し、事実に基づく真実を追求することが重要だと。

「情報量の多さは言論と思想の自由と平等の証である。」
欲望に基づく情報の選択と共有は、偽情報の拡散を助長する一因となっています。
しかし、それは、人権を手厚く保護した結果と考えることも出来るでしょう。

「情報の質を上げようと思えば、信用に基づく選別が必要だ。」
悟性や理性をもって情報を分析・選択することは、真実を追求し、社会全体の情報の質を高める方向に寄与すると考えられます。
しかしそのためには、信用力という新たな統制と選別が求められます。
つまり、発言した内容をろ過する装置を用いて、規制する必要があるということです。

欲望と感情、理性や知性。
どちらも決断に必要な要素です。
しかし私は、そもそもどちらも情報の粒度が荒いとどうにもならないと考えています。

では、情報の粒度を高めるとはどういうことなのでしょうか。
そして、情報の粒度を揃えるためにはどうすれば良いのでしょうか。

その答えが、人工知能による情報の生成と循環だった。
そんなことを考えさせられました。

あなたは善き決断に必要な情報を集めるために、何が最適だと考えますか?


※ルネ・デカルト とは ※マルクス ガブリエル とは ※ファクトチェック とは

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似たような情報や視点に囲まれてしまう現代社会。
この先もネットの情報はますますあなたに
最適化されていきます。

でもそれで本当に良かったのだろうか?

成功事例の横展開が業界にイノベーションをもたらすように、
身近でない情報が実は突破の糸口になったりする。

共通点を繋ぎ、線と面で捉え直すこと。

それが我々の贈る言葉の特色であり、
情報から光を引き出す編纂技術だと考えています。

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