次世代継承学

【第112話】効果的加速主義 vs 効果的利他主義

「シリコンバレーでは、AIの進歩を推進することが人類にとって倫理的に最適な行動であるという考え方が席巻しています。テクノロジーと資本主義を最大限に活用して社会改革を推進していくべきなのだと。」

海外株を中心に個人投資をされている方とお話をした際に、加速主義について考えさせられました。

■「テクノロジー進化を加速させてより良い社会を築くべきだ。」

  • 意見1: テクノロジーと市場の力を活用すれば社会問題は解決出来る。
  • 意見2: AIの進歩を推進すればするほど、人類の未来を形作られていく。
  • 意見3: 自由市場が最も効果的に貧困を解消する手段となるだろう。

■「進化の裏側で我慢を強いられている人々に手を差し伸べるべきだ。」

  • 意見1: 寄付や利他行為によって社会問題は解決出来る。
  • 意見2: AIの進歩に対して倫理的な規制を設けていくべきだ。
  • 意見3: 貧困者への直接的な支援と社会的責任が求められている。

■「テクノロジー進化で人類は豊かになれる。」

  1. 目的: テクノロジーと市場の力を活用して社会問題を解決し、人類の未来を形作る。
  2. 建前: AIの進歩を推進し、経済的成長を促進する。
  3. 本音: 自由市場を通じて最大限の利益を追求。
  4. 信条: テクノロジーの力による社会改革と進歩。

■「人間は人間から目を背けてはいけない。」

  1. 目的: 寄付や利他行為により、社会問題を解決し、より良い世界を実現する。
  2. 建前: 貧困者への直接的な支援と社会的責任。
  3. 本音: 限られた資源を最も効果的に使用する。
  4. 信条: 人間の福祉と倫理的配慮を最優先。

■理想と現実の間

「先進諸国を中心に、21世紀中に社会課題を解決しなければ人類の存続が危ういことは共通課題として認知され始めている。」
テクノロジーと市場の力を活用して社会問題を解決する効果的加速主義。
寄付や利他行為による社会問題の解決を目指す効果的利他主義。

そのどちらも社会課題を解決することを目指しています。
違いは、そのためにAIと資本主義を推進するのか、それとも人間の手で自らの力を高めていくのかです。

「女王蜂を利他的に世話する働き蜂でさえ、種の保存という利己的な目的で振る舞っている。」
人間の近縁度は50%なのに対して蜂は75%、より身近だからこそ利他的に振る舞えているのに過ぎない。
生物の利他的行動とは、言ってしまえば遺伝子のコピーを残すための利己的な行動なのだと。
イギリスの進化生物学者リチャード・ドーキンスは、太古の昔から遺伝子は常に利己的に振る舞ってきたと語りました。

私もあなたも、人間はみんな遺伝子を後世に残すための乗り物なのだと。
種の保存のために私たちは子どもを作っているが、しかしながら人間にしか残せないものも存在している。
それは脳から脳へ言葉や文字を介して複製される文化であり、ドーキンスはそれをミームと名付けました。

では、社会課題はなぜこんなにも議題に挙がるのでしょうか。

「奴隷の国が奉仕を怠れば、貴族の国が飢えるのは必然。」
その理由は、社会の課題を解決しないと種の保存が持続可能にならなくなるリスクを引き起こすからです。
ビジネスは社会に必要だから存在しているという言葉通りならば、種の保存を促進すること(社会の課題を解決すること)がビジネスとも言えるでしょう。

そして、少なくとも先進諸国の人間たちは、AIと経済の力を借りて指数関数的により善き繁栄を極めようとしています。
増えた分の富が不公平感なく再分配されれば良いのですが、財産権を主張する人間の声が大きければそれは難しい。
歴史的にも再分配が適切に行われた事例は数少ない。

とするならば、人間一人ひとりがまず自分の意識を変えて、種のために利他的行動を促進した方が良いのではないかと。
そんな堅実な思想も見え隠れしています。

ちなみに、オゾンホールが塞がりつつあるというニュースに安堵している場合じゃありません。
巻き散らかした二酸化炭素が海水に溶けていけば、海の酸化が生じて大気の酸素濃度に変化が起きる可能性があります。
嫌な話ですが、もし起きてしまえば対策云々を議論する間もなく我々は滅びて行くでしょう。

つまり、危機感に鈍いこと。
それが現在の人類の弱点なのかなと。
シリコンバレーの最先端企業たちは、資源消費を念頭に置いた上でどうやって社会課題を解決していくのでしょうか。

そこが、この話題の面白いところだなと感じさせられました。

■乖離を埋めるための事例

  1. 効果的加速主義のAI進歩への応用
    • AIの急速な進歩を推進し、人類の未来を形作る。 出典: Medium
  2. 効果的利他主義の実践
  3. シリコンバレーにおける効果的加速主義と効果的利他主義の議論
    • テクノロジーと市場の力を活用して社会問題を解決する効果的加速主義と、寄付や利他行為による社会問題の解決を目指す効果的利他主義の間の議論。 出典: YouTube
  4. 効果的加速主義による経済的成長と技術革新
    • 自由市場を通じて最大限の利益を追求し、社会改革と進歩を促進。 出典: FinTech Fusion
  5. 効果的利他主義による社会的公正と平等の促進
    • 貧困者への直接的な支援と社会的責任を通じて、社会的公正と平等を促進。 出典: LinkedIn

■未来を担うべき主体

効果的加速主義と効果的利他主義の成功は、政策立案者、企業リーダー、非営利団体、研究者、および一般市民によって推進されていくべきです。

これらの主体が、社会的および倫理的な課題に対処し、適切な戦略を策定して実行することが求められています。

■乖離を埋めるための具体的な手段

  1. 倫理的ガイドラインの策定: 倫理的な懸念に対処するためのガイドラインを策定する。
  2. 資源管理の改善: 効果的な寄付戦略とリソース管理を実施する。
  3. 社会的対話の促進: 技術的進歩と社会的責任に関する広範な議論を促進する。

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