次世代継承学

【第10話】子どもの笑い声と私の心の叫び声

「子どもの声を騒音だと感じるのは、私のワガママなのだろうか?」
こちらはある単身世帯の方から頂いた言葉です。
声と音と騒音、その境目はどこにあるのかを考えさせられました。

「子どもの声は純粋であり、それを騒音と感じるのは社会の価値観が歪んでいるからだ。」
子どもの声は、彼らの純粋な気持ちや感情を表現するものです。
それを騒音と感じるのは、無関心であり鬱積をぶつけているからではないか。
その声は社会の活力であり、本来は喜ぶべきものなのではないか。

「日常の忙しさやストレスから、静寂を求めることはいけないのか。」
一方で、老若男女すべてが健康で余裕を持っているわけではありません。
家庭の中で静寂を求めること、身体を癒やしたいという気持ちは自然な反応ではないか。
他人に迷惑を掛けないように配慮することを親が教育するべきなのではないか。

子どもの声に対する評価は、都市部と地方部で大きく異なるとも言われています。

例えば、都市部では子どもの声が騒音として捉えられるケースが増えています。
これは、人々の生活リズムや価値観の多様化、そして住居の密集度の高さが影響していると考えられます。

その一方、地方部では、子どもの声はコミュニティの活力として捉えられています。
子どもの声を大切にしようとする文化が根付いています。

あなたは子どもの声をどう思いますか?

「外遊びをしないで育った子どもは、健全に育たない。」
しかしながら共通して、自然と触れ合うことを否定する人はいません。
つまり、子どもが家に閉じこもって声を殺して遊べば不健全であると。
もっと言えば、ゲームばかりやって家から出ない子どもは子どもらしくないと。

では、子どもらしさとは何か。
どうすれば子どもらしいのでしょうか。
あなたはどう考えますか?

そして私たちは、子どもらしさの定義が出せると出せないとに関わらず矛先を変えていく。

「親が悪い。子どもをそう育てた親が悪い。監督責任だ。」
そう、子どもを罰するのはバツが悪いと思うと矛先は親に変わる。
例えば、レストランや公共施設で泣き叫ぶ子どもがいると迷惑だと。
その責任は近くにいる大人にあるという具合に。

では善き親とは何か。
どうすれば善き親になれるのでしょうか。
一流の、稼げる、人様に恥じない、子どもを育てれば善き親なのでしょうか?

そして私たちは、善き親の定義が出せると出せないとに関わらず次の矛先に変えていく。

「聡明な子どもは親の努力じゃない。自惚れるな。そもそも家柄が良いからだろう。」
そう、教育は親の賜物ではなく、金の力でどうにでもなるという意見です。
例えば、塾に通わせる財力があるから有名私立大学を卒業して起業して一財産築いているのだと。
だから間違っても親は威張って言い訳がないという具合に。

そして少子高齢化の原因は所得格差にあるという錯覚を生み出していく。

もちろん少子化の原因は所得格差にもあるかもしれません。
しかし私は、それ以前に、親になりたいと思える社会では無くなったことが問題だと考えています。
結婚して子どもを育てて家庭を築くことに憧れを持てない、消耗社会になったことに問題があると考えています。

「14歳に満たない者の行為は、罰しない。」
刑法上、14歳未満は刑事責任能力がないとされています。
では子どもとは、善悪の判断基準を養うための猶予期間なのでしょうか。
ならば大人とは、善悪の彼岸までを弁えた者なのでしょうか。

いえ、私たちは齢を重ねるだけでは何者にもなれません。

「時に善を、時に悪を、人は偲び心ゆえに生きるのみ。」
昨日までは子どもの声を騒音だと騒ぎ立てていた人間が、明日には心変わりをする。
掌を返すのはいつも体裁です。

あなたが未来に残したいものは何でしょうか?

「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」
これは、世界人権宣言の第1条に記載されている内容です。
つまり、誰かの未来や可能性を制限するようなことは善くないと。

でもそれでは折り合いがつかず、前に進めることそのものが困難になっていく。
だから折衷案で、最大多数の最大幸福が採用される傾向にあると。
すると少数派は、自由と平等を踏みにじられた怨念を持ち始める。

「人間は自由を求めて不自由になっているのではないだろうか?」
そんなことを考えさせられました。

人の個性と多様性をどこまで尊重すると納得されるのでしょうか。
未来の子どもたちにどんな社会を残していくべきなのでしょうか。

あなたはどう考えますか?


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