次世代継承学

【第12話】誰の隣で、いつまでいられるのか。

「できれば、人より賢くなりなさい。しかし、それを、人に知らせてはいけない。」
イギリスの政治家チェスターフィールド卿は、振る舞い方について考えさせられる言葉を残しています。

「知識を共有することで、多くの人々の役に立っている。」
知識や能力を持っていることは、他者に示すべきものだという意見があります。
なぜなら、それによって社会的な評価や地位を得ることができるから。
つまり、賢さを物質的な豊かさを獲得するために使うものだということです。

「知識を持っていることは素晴らしいが、それを誇示することは不要だ。」
一方で、真の賢さは控えめに、そして謙虚に行動することにあるという意見があります。
なぜなら、他者に自慢することは不要であり、謙虚さや控えめな態度こそが美徳だから。
つまり、賢さを精神的な豊かさを獲得するために使うものだということです。

ここであなたにも一緒に考えて頂きたいことがあります。
それは、賢さや知識をどう扱うべきかということです。

近年、SNSやYouTubeなどのプラットフォームで、自らの知識や能力をアピールするインフルエンサーや専門家が増えてきました。
彼らは自らの知識や経験を共有することで、多くのフォロワーや収益を得ています。

ここだけを切り取れば、とても優秀で勤勉で好きなことで稼いでいるように見えます。
さらに、フォロワーの興味を引く手段とはいえ、他者貢献もしています。
その意味では、憧れの対象になる理由もよく分かります。

しかしながら、その背後には、知識を誇示することで生じる問題やリスクも存在しています。
例えば、誤った情報を拡散してしまうリスクや、他者との関係が悪化する可能性です。
その結果、豊かさを獲得するのも早いが手放すのも早いということです。

なぜなら、有名になればなるほど、寄ってくる人間の動機が不順であることも多いからです。
その意味では、人間関係の見極め方、振る舞い方には気を払うことが求められます。

では、なぜ人は知性で獲得したものによって身を持ち崩してしまうのでしょうか。
その理由について、あなたはどう考えますか?

「賢さを養うことを推奨する声は多いのに、養った賢さをどう使うのかは語られない。」
言われてみれば確かにと思うかもしれません。
ではそれはなぜなのでしょうか。

言ってしまえば、塾やスクール、教材など、背景にビジネスがあるからです。

「何を喋れるかが知性で、何を喋らないかが品性だ。」
スピードワゴンの小沢一敬さんによれば、教養とは知性と品性を備えた人間であると語られています。

つまり、何が言いたいかと言うと、”知性は教わることが出来るが、品性は教わるものではない”ということです。

「示して、獲得して、隠していく。それは強者の論理に他ならない。」
理想と現実は違う、食べていくために知識は使われるべきだという意見があります。
物質的な豊かさを得られないのならば、学業を修める理由が分からないと。
清貧は我慢を強いる暴論だと。

つまり、控えめに謙虚に行動するという価値観は、富裕層や強者の考え方とも言われています。

「強者など何処にもいない!人類全てが弱者なんだ!俺もお前も弱者なんだ!」
では、強者と弱者の境目は何なのでしょうか。
物質的な豊かさでしょうか、精神的な豊かさでしょうか。

「自分の成果を認めてもらう場面では適切にアピールし、一方で他者との関係性を築く場面では謙虚な態度を取る。」
それとも、状況に応じて適切な態度を取れる人間が強者なのでしょうか。

つまり、知識とは強者を生み出すための手段なのでしょうか。

「賢さや知識を持つことは、個人の成長や社会への貢献に繋がっている。」
私たちは漠然とそう信じて期待して生きています。
しかし、その理由は自分で探すものだとして誰も教えてくれません。

あなたにとって、知識とは何ですか?

私にとって知識とは、”求められた時に必要なことを必要なだけ分け与えるもの”だと考えています。
言い換えればそれは、”誰がいつまで隣にいてくれるのかの境目にもなる”と考えています。

「誰といたいか、いつまでいたいか。」
そのために知識は、知性と品性の双方の振る舞い方を教えてくれている。
物質的な豊かさと精神的な豊かさの共通点は、求められること。
改めてそんなことを考えさせられました。

あなたはどう考えますか?


※新機動戦記ガンダムW とは ※小沢一敬 とは ※知識とは何かを深く知りたい

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