次世代継承学

【第42話】情熱が生まれる理由の無い世紀

「大人は質問に答えたりしない。それが基本だ。」
福本伸行『賭博黙示録カイジ』には、心持ちについて考えさせられるセリフがあります。

「専門家の意見や研究結果を参考にすることで、より正確な判断ができる。全てを自分で考えるのは非効率的だ。」
他人や専門家の意見や知識に頼ることで迅速かつ正確な判断を下すことができるという主張があります。

「他人の意見に流されることなく、自分の価値観や考えを持つことが大切。経験を積むことで、より深い理解が得られる。」
一方で、自分自身で答えを探求し、自らの経験や考えを基に判断することの重要性を強調する声もあります。

他人の答えに頼るべきか、それとも自分で答えを見つけるべきか。
あなたはどう思いますか?

現代社会は情報が氾濫しており、多くの情報源からさまざまな意見や知識が提供されています。
このため、どの情報を信じるか、どの意見を取り入れるかという選択が日常的に求められるようになりました。
また、SNSやインターネットの普及により、個人が自らの意見や考えを発信する機会も増えています。

「自分で考えることは、知識や経験に縛られた、限られた判断になりがちだ。」
偏りや誤りが取り返しのつかない判断を招くことがあります。
そして自分で考えることは、多くの時間や労力を要するため、迅速な判断ができない可能性があります。

例えば、医療や健康に関する情報や意見。
専門家の意見や研究結果は、長年の学習や実践によって培われた知識や技術に基づいており、信頼性や正確性の高い。
また、常に最新の情報や証拠に更新されているため、時代に合った判断ができると言えます。

しかし、外部の目線は客観的で正確な判断につながりますが、盲目的で受動的になる可能性があります。

「自分の価値観や考えを持つことは、自分の興味や関心に沿った学習を行うことができる。」
他人の意見に流されると、後悔の念に駆られることがあります。
そして、結果に対して自分で自分を肯定出来ない事態を招いた場合、取り返しの付かない問題になります。

例えば、教育や学習において。
経験を我が物とするためには、主体的に取り組む必要があります。
それが成功しようと失敗しようとも、自分で下した過程と結果であれば振り返る余地が生まれます。
つまり、自分の思考や判断力を辿ることが、批判的思考や創造的思考が発達させるということです。

しかし、行き過ぎれば自分の価値観や考えに固執して、経験値を過信する可能性があります。

専門家の意見や研究結果を参考にすること。
他人の意見に流されることなく自分の価値観や考えを持つこと。
それぞれに合理性や価値がありますが、どちらも絶対的ではありません。

どちらを選択するかは、自分の目的や価値観や状況に応じて変わります。
「では、自分で自分の目的や価値観を確立するためにはどうすれば良いのでしょうか?」
あなたは、どう思いますか?

「宗教や伝統や権威に対して理性や自由や平等を主張し、科学や哲学や政治などの分野に大きな影響を与える。」
啓蒙思想は、他人の答えに頼ることを否定し、自分で答えを見つけることを肯定する思想運動でした。

「理性や規則や制約に対して感情や個性や創造性を重視する。」
ロマン主義も、他人の答えに頼ることを批判し、自分で答えを見つけることを賞賛する芸術運動です。
その結果、文学や音楽や絵画などの分野に多様な表現方法を生み出しました。

「経済や文化や政治などのグローバル化に対して地域や民族や環境などの多様性や正義を訴える。」
そして、反グローバリゼーション運動も、他人の答えに頼ることに抵抗し、自分で答えを見つけることに挑戦する社会運動です。

歴史は常に、自分で自分を探す運動によって激変してきました。
言わば、その情熱が世界を動かして来たのだということです。

何がそうさせて来たのでしょうか。

不自由、不平等、不公平。
人間は絶望や理不尽さに抗うことで、一致団結して来たのかもしれない。
桃源郷やプレーローマは、絶望があればこそ希望の道筋として尊ばれたのかもしれません。

だとすれば、満たされた生活は、自分の目的や価値観を見出せなくしていくのかもしれない。
つまり、破滅と堕落を招いているのかもしれません。

「巨人の肩の上に立っている。」
イングランドの自然哲学者アイザック・ニュートンは、自分の発見は過去の偉人たちの業績に支えられていると語りました。

先人たちは、溢れる情熱を昇華するために過去から学ぶ姿勢を保っていました。
だからこそ、引き継ぎと受け継ぎに至高の価値を見出したのかもしれません。

私たちは、これからどうやって自分の目的と価値観を生み出していくべきなのでしょうか。
あなたは、どう思いますか?


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