次世代継承学

【第15話】遂に私たちは消費に罪悪感を覚え始めた。

「われわれは生産をあまりにも重視し、消費をあまりにも軽視しすぎる。」
哲学者バートランド・ラッセル氏は、消費について考えさせられる言葉を残しています。

「企業の利益追求や国のGDP成長を最優先とするべきだ。」
経営的な観点から見れば、経済成長や技術革新の名の下に、無限の生産を追求することが正義だという意見です。

「持続可能な社会を築くためには、消費の質を重視する必要がある。」
一方で、消費者の観点から見れば、過度な生産は環境破壊や過剰な消費を促進する要因となり得るという意見があります。

私たちはこれまでの歴史で公害問題や環境問題を目の当たりにしてきました。
そしてその度に決意を新たにしています。
資源の過度な消耗や環境破壊を引き起こしてはいけないと。

「経済の健全な成長や社会の安定のためには、持続可能な消費の実現が必要だ。」
それは、SDGsにも通ずる私たちの共通の意志として成立しているように見えます。

「思いだけでも…力だけでも、ダメなのです。」
しかしながら、理想や想いとは裏腹に現実は上手くいかないものです。
現代社会は、所得格差の拡大により多くの人々が適切な消費を行えない状況に陥りました。

例えば、アメリカやイギリスでは、トップ1%の所得者とそれ以外の所得者との間の所得格差が急速に広がっています。
このような状況下は、中間層や低所得者層の消費が減少させて、経済全体の成長が鈍化させます。

「売れないならば、売れるものを売るまでだ。」
そこで改めて注目されているのが、ファストファッションやファストフード、使い捨て文化です。
安価で手軽に商品を手に入れることができる魅力は消費者を惹き付けます。

しかしこれらは短期間で廃棄されることが多く、大量の廃棄物を生み出しています。
中でも、使い捨てのプラスチック製品は、海洋汚染の原因とも言われています。

また、食品産業においても、過剰な生産による食品ロスが社会問題となっています。
これらの事例から、生産を過度に重視することの弊害が明らかになっています。

「現代社会は生産と消費のバランスに対する社会的な認識のギャップを浮き彫りにした。」
しかしながら、多くの消費者はこれらの消費行動が環境問題を引き起こしていることを認識しています。

つまり、悪いと分かっていながら止めることの出来ない消費を続けている。
それが今の私たちだということです。

では、経済成長と環境保護を両立させるためにはどうすれば良いのでしょうか。

今、世界では倫理的な(エシカル)消費を進めようとする声が挙がっています。
それは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。

しかし、そこでも賃金と所得の格差が邪魔をしています。

あなたはどうしていくべきだと考えますか?


※バートランド ラッセル とは ※機動戦士ガンダムSEED とは ※エシカル消費をもっと深く知りたい

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