次世代継承学

【第39話】破壊を止めるのが先か。征服が先か。

「森と人は、良き隣人になろう。」
住友林業株式会社のキャッチコピーから、自然と人間の関係性について考えさせられました。

「私たちは自然から多くを学び取ることができる。森や木々は私たちに酸素を供給し、生態系を保護する役割を果たしている。私たちが自然を守ることは、結局のところ自分たち自身を守ることにつながる。」
自然と共存するべきだという意見があります。
人間は自然の一部であり、環境との調和を保つことが持続可能な未来を築く鍵なのだと。

「現代の技術は、気候変動や環境破壊の問題を解決するための道具である。自然を制御し、より効率的な方法で資源を利用することで、持続可能な未来を実現できる。」
自然を制御するべきだという意見があります。
技術の進歩を活用して、自然のリスクを最小化し、人間の生活の質を向上させるべきだと。

人間は自然との共存を目指すべきか。
それとも技術を駆使して自然を制御すべきか。
あなたは、どう思いますか?

日本の森林面積は約2,500万ヘクタールで、国土の約67%を占めています。
森林は二酸化炭素の吸収源としての役割を果たしています。

しかし、私たちの自然は気候変動や環境破壊によって年々失われている。
この問題に対して、自然との共生共存を目指す立場と、技術による環境制御を目指す立場が存在するということです。

「重要な自然景観や生物多様性を保護するために、人類の介入禁止区域を作るべきだ。」
例えば、世界遺産登録や国立公園の選定は、人間が手を触れられないように公に聖域として認めることです。
それは、触れられない見世物として括ることで、人間に自然の美しさや豊かさを提供するということです。

しかし、自然保護のために人間の活動や消費を制限することは、人間の自由や権利に反するという批判があります。
例えば、自然保護区域では、住民や開発者に対して土地利用や資源採取などの制約が課されることがあります。
これは、人間の生活や経済に悪影響を及ぼす可能性があります。

「技術は、人間が自然に適応し、自然を保護し、自然を変革する手段として用いられるべきだ。」
例えば、ジオエンジニアリングは、地球の気候システムに人為的に介入して、気候変動の影響を軽減する技術です。

太陽光の反射率を上げたり、二酸化炭素を吸収したり、雲や海洋などの要素を操作したりすることが出来ます。
これにより、自然のバランスを調整し、気温や降水量などの変化を抑制することが出来ます。

しかし、自然を制御する技術は、人間の責任や倫理を忘れさせる可能性があります。
例えば、クローン動物は、医療や研究に役立つ技術ですが、生命の尊厳や多様性に関して議論があります。
これは、人間の価値観や道徳を歪める可能性があります。

将来的に、人間は自然を制御することが出来るのでしょうか。
それとも自然の中で生きる存在としての限界を受け入れるべきなのでしょうか。

あなたはどう考えますか?

「かつて地球の肺とも呼ばれたアマゾンの熱帯雨林は、過度な伐採や開発により破壊の危機に瀕している。」
人間の技術的な進歩が、未だに自然環境に大きな影響を及ぼしています。

遡れば、産業革命時代のイギリスでは大量の石炭が使用され、大気汚染が進行しました。
そして後にロンドンスモッグと呼ばれて、1万人以上が死亡した史上最悪規模の大気汚染による公害事件も起きています。

産業革命は、人間の生産力や経済力を飛躍的に向上させました。
しかしそれ以降、自然環境や社会環境に大きな負荷を掛け続けています。

環境運動の拡大により、誰かがどこかで破壊を止めるのが先か。
それとも、テクノロジー進化により自然をコントロールするのが先か。

「人間は、やるのは好きだけどやられるのは好まない。本当に自分勝手な生き物だよ。」
例えば、私たちは脳だけで生きるのは嫌だと言います。
では、自然が種子だけで活かされるのは許されるのでしょうか。

二律背反した側面を克服していく必要がある。
そんなことを考えさせられました。

自然は自然のままにしておくことを共生共存と言うのか。
それとも、自然を掌握して支配することを共生共存と言うのか。

あなたは、どう思いますか?


※林業先進国オーストリアに学ぶ地域資源活用 ※地球をハックして気候危機を解決しよう ※サイボーグ化する動物たち

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コメント

  1. RC

    自然と共存することの難しさについて考えさせられる内容でした。
    確かに森を開拓して、技術を伸ばさなければ、現代の文明までの発展には繋がらなかったかもしれません。
    それはこれからもきっと同じで、何か大きな出来事や変革を起こすときはそれだけのリスクが伴うとも言います。

    ただ、もしそのまま自然と共存していたままであったら、人間に本来備わっていたとされる第六感などの機能はそこまで失われることはなかったのではないでしょうか。

    どちらが幸せかということは、今となってはわかりませんが、この先自然を破壊することによってますます地球から嫌われていくと思います。

    人間本来備わっているとされる第六感などを未来の子供達がもう一度取り戻せるように、また徐々に自然と共に生きるという選択をとっても良いのかな、と考えさせられました。

    • 青木コーチ

      コメントありがとうございます!

      「ますます地球から嫌われていくと思います。」
      この言葉が印象に残りました!

      「地球は呼吸をしている。」
      地球有機体説を唱えるジェームズ・ラブロックは、ガイア理論を提唱されていました。
      それは、言い換えれば、地球はホロン構造をしているという意見です。

      ホロン構造とは、部分と全体とが相似形になるフラクタル構造を持つという性質を示したものです。
      例えば、地球の構成図は、森の構成図と同じ。森の構成図は実は人間社会の構図と同じというように。

      「虫の知らせが分かる人種は世界で日本人とアボリジニだけ。」
      第六感と言えば、虫の知らせという言葉があります。
      その共通点は、虫の鳴き声を左脳で捉えていることです。
      それが出来る人種だけが虫の鳴き声に雅を感じることが出来ます。

      地球は何か震災前に予兆を示すから鳥は地震の前に羽ばたき逃げる。
      もしそうだとすれば、人目線での予兆は虫の知らせで、地球目線ではまだ解き明かされていない予兆。
      例えば、地球の発する磁気の変化などが起きているのかもしれません。

      第六感が、実は当初は全人類に備わっていたものだとしたならば、何が虫の知らせを聞こえなくしたのでしょうか。
      自然破壊とは、実は自然以外のものを破壊していたのかもしれないと考えてみると面白そうですね。
      そんなことを考えさせられました。

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