「歴史に名を残そうなんて考えるなよ。目立たず生きろ。」
山田鐘人『葬送のフリーレン』には、自分の地位をどう築くかについて考えさせられる言葉があります。
生きるためにはお金が不可欠な世の中になりました。
サンガのように、お金を必要としない生活などは考えられない時代になりました。
※サンガとは、釈迦の定めた戒律に沿って、煩悩を断ち解脱に達することを目的とする組織のこと
タイパ、コスパ、有限な時間をどう効率よく効果的に使うべきか。
そのすべてが稼ぐことに集約されているような。
お金を稼ぐために生きていると思えるような。
そんな感覚が社会に蔓延しています。
アテンション・エコノミーは、人気者や目立つ者がお金を稼ぎやすいと言われています。
洗練された職人や妙好人さえも、知られていなければ価値がないとばかりに。
分別ある人間であれば、むやみやたらに力を見せびらかすようなことはしません。
しかし、図らずともそうさせるような状況が目の前に迫っています。
崇高な精神が金の力に濁されてしまう、流されてしまうような。
その一方で、力を誇示することは浅はかだと。
流行に呑まれた人間のやることだと蔑むような意見もあります。
しかし誇示することは本当に悪いことなのでしょうか
そこで本日は、下記について一緒に考えてみたいです。
「力は誰にも見せず隠しておくべきなのか、それとも周囲に誇示すべきものなのか。」
あなたはどう思いますか?
■力は隠すべき
「力を隠し周囲を欺くことで、勝ちたい時に勝てる状態を整えておくべきだ。」
意義
▶ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの教育論において、自然な反抗心を発揮させるために、隠蔽された人間本来の意志力に刺激を与えることが重要であるとされる。
これは、内面の力を自覚させ、より深い自己理解に導く。
意図
▶内面の力を自覚させ、戦略的な行動を促進する。
信条
▶「真の力は内面にあり、外面には現れない。」
■力は誇示すべき
「無闇にひけらかすのではなく、力を偽り無く示すことで、自分に誠実でいられる。」
意義
▶フランスの哲学者アンリ・ベルクソンの自由意志の概念において、理性や認識の力によって世界を変えることが重要視される。
これは、外向的な力の発揮として理解され、社会的な利益や自己利益を優先させる行動につながる。
意図
▶社会的な地位や威信を確立するために力を誇示する。
信条
▶「示されない力に価値はない。」
自己の力を誇示すればこそ、自分の価値を最大化出来る。
ではここからは、下記についてさらに踏み込んでみます。
「力の隠蔽と誇示の間で、どのようにバランスを取るべきなのか?」
それとも或いは・・・
あなたはどう思いますか?
■理想と現実の間
理想は必要な時に必要なポジションで最も自分が必要とされる責任を果たせる状態が確立されていること。
そうなれば力の隠蔽と誇示の間でバランスを取る必要もないのかなと。
しかし現実では、力の隠蔽と誇示のバランスを取り、自分の存在価値は自ら発信しなければ埋もれてしまうような気持ちにもなります。
また、増え続ける人口と並列化する人間像に、まるで自分らしさが損なわれているような感覚にも陥ってしまいます。
それは、私は私らしくを目指してもなかなかそこに到達することが出来ないということに繋がっていく。
らしさを内発的に見出すのが苦しいから、少しでも周囲を観察して比較の中から見つけようとする。
しかし比較をすればするほど、そこには底なしの欲望が存在していることに気付く。
頑張れる人はそこで探し続けるけど、疲れた人から同化していく。
そんな中で、私たちはどうすべきなのでしょうか。
あなたなら、どんな理想の状態を想像しますか?
そして、どうやって理想と現実の間を克服していきますか?
※葬送のフリーレン とは ※超訳ニーチェの言葉 II ※幽・遊・白書 全19巻 完結セット
この記事へのコメントはありません。