「好景気な時に出店攻勢を仕掛けるのが中国企業のやり方。例えば不動産業界はその流れで加速した。でも必ず波は落ちる。その時、会社として乗り越えられないことが多い。」
中国で実店舗をお持ちの方とお話をした際に、中国のCVS(コンビニエンスストア)業界について考えさせられました。
■「最短最速で急速な拡大を目指していくべきだ。」
・中国においてCVSの店舗数と売上が急増中
・日系企業を含む多国籍企業が市場参入を狙っている
→モタモタしてるとチャンスを失ってしまう
■「中長期的な目線からして、地域社会への適応を優先すべきだ。」
・地域社会のニーズと消費習慣の理解を優先
・地域特有の商品やサービスの提供をすべき
→短期的な目線は地域に遺恨を残すだけだ
中国のCVS市場は急速な拡大を目指すべきか、それとも地域社会への適応を重視すべきか。
あなたはどう思いますか?
では、ここで一緒に考えて頂きたいことがあります。
「市場が好景気だからこそ急速な拡大に着手するべきなのか、それとも好景気だからこそ、着実な投資が良いのか・・・。」
あなたはどう思いますか?
■理想と現実の間
「うちの勝ち筋は最速で最高を目指すこと。」
サイバーエージェント藤田さんが2010年代にそう仰っていました。
収益を上げるためには、そもそも競争を勝ち抜く必要があります。
しかしながら、収益が短期的か中長期的かによって取るべき戦略は大きく変わっていきます。
中国コンビニ業界には、日本の雄ローソンが進出しています。
飽和する都市と未開拓の地方。
アメリカで起きた動きが10年掛けて日本に来るとも言われているように。
都市で起きたことは周期を経て地方にも来るでしょう。
しかし、その頃には市場の成熟度合いは変わっている。
「ならば仕掛けるのは都市集中で、今しかない、このチャンスを逃せば次はない。」
合理的に考えればそうなるでしょう。
「いや待て。そう考える企業が多いからこそ、手付かずの地方ニーズを救えるのではないか?」
ところが逆に、激化する地域を避けて地道に地場に根ざして市場を固めることも考えられます。
例えば日本には、御三家(セブン、ファミマ、ローソン)を差し置いて、北海道で圧倒的なシェアを誇る企業があります。
セイコーマートです。
全国競争の激化で統合化も進みました。
スリーエフがローソンに吸収されたように。
国内4位ミニストップは、韓国で最大の店舗数を持っていましたが後に売却。
今はベトナムに注力して、おそらく中長期的にバイアウトを狙っています。
1億2000万人の日本と14億人の中国では市場規模がまるで違います。
これからどのような戦略が取られて行くのか。
そこが、この業界の面白いところだなと感じさせられました。
■乖離を埋めるための具体的な手段例
- 市場分析と戦略的計画: 市場の過飽和を避けるための詳細な分析と計画。
- 地域社会との連携強化: 地域のニーズに合わせた商品やサービスの開発。
- デジタル技術の導入: オンラインとオフラインの統合による顧客体験の向上。
- 持続可能なビジネスモデルの構築: 環境と社会に配慮したビジネスモデルの採用。
- 健康とウェルネスへの注力: 健康志向の商品やサービスの提供。
あなたなら、どんな理想の状態を想像しますか?
そして、どうやって理想と現実の間を克服していきますか?
こんにちは。本日も楽しく拝読させていただきました。
拡大戦略と浸透戦略への着眼であったと感じます。コトラーの競争地位戦略の中で扱われる、マーケットリーダー(とマーケットチャレンジャー。以下、マーケットリーダーとして集約)とマーケットニッチャーの違いとも等しいかと思います。
ブログの中で青木コーチによって既に触れられていますが、比較する上での観点に時間軸を入れた場合、
マーケットリーダーは、コストを投入し、市場における圧倒的シェアを得、短期間での利益を見る傾向にあるかと思います。
それに対して、マーケットニッチャーは、コストを投入することなく、限定的な市場におけるシェアを得、長期にわたってゆったりと利益を得る傾向にあるのかと思います。
さて、現在の市場観について話を転換してみると、
・VOCAの時代である
・インターネットは当然に扱えるもの
・国境による隔たりは薄くなっている
・シンギュラリティに続くような大発明が多くされている。
といった要因があり、市場の変化が激しく、PLCの短期化も当然のように進行しているかと思います。
つまり、市場は不変でない。のではないかと。
そんな市場が変わりゆく中で、『我々はニッチなのだ。』と1本柱で地域密着で動いていたとして、
10年、100年と続けることはできるのでしょうか。
私の考えとしては、
『業界特性による。物理的な”モノ”を提供しており、それが人間が生活するうえで欠かせないものであれば、(比較的時間があるため)ニッチで闘える。
一方、サービスや情報など無形のモノを提供しているのであれば、物理的なモノよりも変遷が早い為、ニッチで闘うのは(時間が短い為に)厳しいのではないか。』
というものです。
一概には言えないからこそ、考える楽しみを見出せますね。
いつもコメントありがとうございます!
「物理的な”モノ”を提供しており、それが人間が生活するうえで欠かせないものであれば、(比較的時間があるため)ニッチで闘える。」
この言葉が印象に残りました。
仰るようにデジタルは進化が早い。
ということは、廃れるのもまた早い。
そう考えると、実体のあるモノの価値は再定義されるべきなのかなと。
例えば、フランスの哲学者ルネ・デカルトは、心身二元論が有名です。
しかしこれはあくまで一般的に分かりやすく解釈するためのものです。
より具体的に言えば、「心と延長のあるもの」に分けたと考えられます。
延長とは何か。
それは永遠に分割して途切れることもなくそこに在り続けることの出来る3次元性のことです。
デカルトはX軸とY軸の概念を生み出した人間です。
奥行きというZ軸に気付いた。
そこがデカルトの素晴らしいところだなと。
現状デジタルに奥行きはありません。
その深みをどうやって表現していくのか、それが本来メタバースが目指したものなのかなと。
また、マーケットニッチャーなど、既存の用語で記事を再解釈・編纂してくださったのがとても嬉しいです!!
なかなか記事の中では厚みが整えられないのでとても助かりました!
いつもありがとうございます!