次世代継承学

【第2話】ストレスとは、心に生じた歪みなのかもしれない

「だから、生きるために文明を作り、社会を作って、身を守った。」
機動戦士ガンダムUCにおいて、人間は種を保全するために文明というシステムを構築してきたことが語られています。
また同時に、システムが複雑になりすぎて人間は自ら生きることを難しくしてしまったのだとも。

現代社会はストレス社会だと揶揄されることも多くなっています。
それは、私と他が触れ合うこと自体が摩擦となり、気苦労が絶えない社会になったということでしょう。

ではそもそもストレスとは何か。
それは、外部からの刺激によって体内に生じる反応のことです。

しかし、私にとってのストレスとは、ある種の歪みではないかと捉えました。
つまり、歪みとは、”関係性の不和によって生み出された知覚”と言えるでしょう。

近年注目を集めているのが、シャーデンフロイデという言葉です。
それは、他人の不幸を見聞きして気持ち良さを感じることを意味しています。

例えば、シャーデンフロイデが助長されると同時に、謝罪に対する捉え方が変わって来たように感じます。

以前は罪を深くお詫びするために誠意を見せることを謝罪と呼んだならば、
今や謝罪とは、頭を下げる姿を見て溜飲を下げるという演出になってしまった。

つまり、何が言いたいかと言うと、ストレスを緩和するために……
言い換えれば、”関係性の不和を緩和するための演出及び舞台装置が希求され始めている”ということです。

では、これによって何が起きようとしているのでしょうか。

例えば、心療内科医の鈴木裕介さんによれば、ストレスには2つの捉え方があると言われています。
1つは、アッパー系です。
それは、ストレスが掛かると心がハイテンションになる方を指しています。

そしてもう一つは、ダウナー系です。
それは、ストレスが掛かると心がローテンションになる方を指しています。

しかしこれからはアクター系とも呼べる第3の捉え方が登場するかもしれません。
それは、ストレスが掛かると仮面を被り、違和感や閉塞感を逃がそうとする方です。

「裏切られるくらいなら、初めから期待したくない。」
複雑で不確実とも言われるVOCA時代において、思い通りの結果は得られにくい。
予測が外れると関係性の不和は加速してストレスに変わっていく。
だから、期待する自分と期待しない自分を作り分けておこうとする。

つまり、関係不和に予防線を張り巡らせることがスマートだと考える人々が多数派になっていくと考えました。

まだ世の中には、ストレスが原因とされる未解明の病がたくさんあります。
私たちはどこまでいっても、歪みに対して違和感を覚えやすい存在です。

しかし、もしかしたらそれらを乗り越えるために、本来宗教は必要だったのかもしれません。

つまり、何かを信じるということは、心の余白にもう一人の自分を生み出すことなのではないかということです。

あなたはどう考えますか?


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