「TikTokの利用動向やコンテンツの変遷、ショート動画サービスの比較をすると、TikTok売れが奇妙に感じる。なぜ?って感じです。アテンション喚起だけで衝動的に判断してしまう人間を生み出す装置のようにも思える。」
数々のYoutubeを立ち上げて成功に導いて来たマーケッターの方とお話をした際に、ショート動画について考えさせられました。
「TikTokおよび他のショート動画サービスによる情報の流通は、エンターテインメントからインフォメーションへのシフトをもたらした。」
この変化は多くの機会を提供する一方で、情報の質や信頼性、著作権問題に関する懸念も引き起こしています。
特に、「切り抜き」コンテンツの著作権的なグレーゾーン問題が話題に挙がっています。
しかしその中でも、私はHYPE(ハイプ)による一時的な流行が生み出す短期的な消費行動について興味を持ちました。
それは、消費者に素早く訴求力のある音と映像を短い時間構成にハメ込んで、即効性のある体験や価値を提供するものです。
言い換えれば、ショート動画によって生み出す新たなトレンド形成の手法と言えるでしょう。
HYPEは、鬼滅の刃をヒットさせた要因とも言われるファンダムエコノミーを意図的により短期的に作ることが出来る可能性があります。
つまり、それは、ファンやクリエイターが商品やサービスに対して、熱狂的な需要や価値を創出することで、巨額の利益を得ることができるという現象を引き起こすということです。
そもそもファンダムエコノミーとは、熱狂的なファンによって形成されたコミュニティや文化(ファンダム)が生み出す経済圏のことです。
ファンダム(fandom)は、fanとkingdomを組み合わせた用語で、アイドル、アニメ、漫画、スポーツなどさまざまな分野で活発な活動が行われています。
しかし光が強ければ影も強くなるものです。
HYPEによる消費行動は、短期的な流行に左右されやすく、過剰消費や資源の浪費を助長する可能性があります。
消費者が新しい体験や価値を求めて、短期的な流行に乗ること。
過去にも似たような現象があったような。。。
そう、それは、 1960年代に若者たちが、既存の社会や文化に反発し、自由や平和、愛や自然などの価値観を掲げて、新しいライフスタイルやコミュニティを形成した運動。
すなわち、ヒッピー運動に近い現象だと考えられるのではないでしょうか。
ヒッピー運動は、当時の社会や文化に対する批判や反抗という側面も持っていましたが、同時に、消費社会の一部として、商品やサービスの需要や価値を創出する役割も果たしていました。
そしてここでさらに考察を進めるならば、ヒッピー運動とは、ポストモダンの特徴を先取りしていたと言えるでしょう。
ポストモダンとは、近代の理性や普遍性、進歩などの価値観や思想が崩壊し、多様性や相対性、断片化などの特徴を持つ現代の状況を指すものです。
その点で言えば、ヒッピー運動も、近代の価値観や思想に対する否定や疑問、多様性や相対性、断片化などの特徴を持っていました。
要するに、ヒッピー運動は、HYPEという現象の原型と言えますが、同時に、ポストモダンという概念の先駆者と言えるということです。
閑話休題。
「60年前にアナログで起きた事象がデジタルの中でリフレインした。」
もしそうだとするならば、ここから何が考えられるのでしょうか。
それは、2024年現在がデジタル中世のようなものだとすれば、およそ今後、時代周期が一致する瞬間に度々遭遇する可能性があるということです。
これについて私は、アナログとデジタルにおける人間模様の対比は、ある周期で同じ現象を引き起こすと考えています。
この現象について、造語ですが「時勢周期論」と名付けておきたいと思います。
だとするならば、HYPEが生み出すTIKTOK売れという現象もヒッピー運動と同様の終末を迎えていくのかもしれません。
ということで、今回はショート動画について一緒に考えて行ければ幸いです。
ショート動画は人のため世のために役立つものなのか、それとも取り返しの付かない悪影響を及ぼすものなのか。
あなたはどう思いますか?
■「素早く価値を訴求出来る最高のコンテンツだ。」
- 意見1: 新しい形のクリエイティビティと表現の場を提供し、多くの人が情報を発信できるようになる。
- 意見2: 製品やサービスの認知度を高め、企業や個人がマーケティング活動を効果的に行えるようになる。
- 意見3: 「HYPE」を通じて新たなトレンドを迅速に形成し、消費者に新しい体験や価値を提供する。
■「人の認知能力を狂わせるのではないか?」
- 意見1: 情報の質の低下や誤情報の拡散リスクが高まる。
- 意見2: 短期的な流行による消費行動が、過剰消費や資源の浪費を助長する。
- 意見3: 著作権の問題やプライバシーの侵害など、法的・倫理的な問題が生じる可能性がある。
■プラスの影響
- 目的: 新しい表現の方法とクリエイティビティの促進
- 建前: 誰もが情報を発信し、共有する自由
- 本音: プラットフォームの利用者数とエンゲージメントの最大化
- 信条: 開放性、創造性、そして共有の価値
■マイナスの影響
- 目的: 情報の質の確保と誤情報の拡散防止
- 建前: ユーザー保護と質の高い情報提供
- 本音: コンテンツの制御と管理の難しさ
- 信条: 責任ある情報共有と消費者保護
では、ここで一緒に考えて頂きたいことがあります。
「TikTokやショート動画による情報の流通が社会に与える影響は何か?」
あなたはどう思いますか?
■乖離を埋めるためのきっかけ
■未来を担うべき主体
政府・規制機関: 法律・規制による情報の質の管理とプライバシー保護の強化。
教育機関: 情報リテラシーとメディアリテラシーの教育を通じた誤情報対策。
テクノロジー企業: より安全で、信頼できるプラットフォームの開発と管理。
消費者・ユーザー: 情報の選別と拡散において責任ある行動の推進。
クリエイター・インフルエンサー: 高品質なコンテンツの制作と、正確な情報の提供における重要な役割。
あなたなら、どんな理想の状態を想像しますか?
■理想と現実の間
情報のアクセシビリティの増大
- 理想: 豊富な情報が容易にアクセス可能になり、知識の普及が進む。
- 現実: 情報過多による選別の困難さと誤情報の拡散。
- 対処法: 情報リテラシー教育の強化と信頼できる情報源の明確化。
消費者行動への影響
- 理想: ユーザー主導のコンテンツが新たな消費トレンドを生み出し、経済に貢献する。
- 現実: 短期的な流行に基づく過剰消費や資源の浪費。
- 対処法: 持続可能な消費を促す教育とキャンペーンの展開。
クリエイティビティと表現の自由
- 理想: ショート動画プラットフォームが多様な表現の場を提供し、クリエイティビティを促進する。
- 現実: 表現の自由と著作権、プライバシー保護のバランスの難しさ。
- 対処法: 法的枠組みの見直しとクリエイティブ産業の支援。
そしてあなたは、どうやって理想と現実の間を克服していきますか?
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