「俺は金が好きだ。何故かと言えば金は全ての代わりになるからだ。とても大切なもので、そしてその上で、かけがえのないものではないから好きだ。」
化物語シリーズにおいて、お金について考えさせられる言葉があります。
そもそもお金とは、商品やサービスの交換や流通を円滑にするための媒介物です。
経済学の観点から言えば、お金の価値はおよそ3つの手段から説明されます。
それは、”何かを交換するため、尺度を示すため、資産を貯蔵するため”です。
一方で贈与の観点から言うと、お金は負債だと言われています。
つまり、お金は”貸し借りの関係性を築き、互いを結び付けるための手段である”ということです。
そして、関係性を維持するためには信用が必要であると。
「かねが人生のすべてではないが 有れば便利無いと不便です 便利のほうがいいなあ」
詩人の相田みつをさん曰く、お金は唯一無二の存在ではなく、何かをするための道具に過ぎないと。
しかし、経済がお金を基軸として動く以上、無ければ手段は限られてしまうと。
「道具を使っていたつもりが、いつの間にか道具に使われていた。」
人類は古来より何度も同じような憂き目を経験して来ました。
そして人は道具を憎み始める。
いつもの顛末と同じように、拝金主義も蔑視の対象となりました。
しかし、ここでよく考えてみて頂きたいのは、お金の効用についてです。
「孤独を背負う人々の群れに佇んでいた 心寄せる場所を探してた」
GLAY『HOWEVER』は、後世に残る名曲として知られています。
季節が巡るように人の縁もまためぐり逢い、彩る全てを抱きしめて二人はゆっくりと歩き出す。
暗闇を駆けぬける勇気をくれたのは大切な人でした。
そう、人なのです。
友情と愛情、結束と約束、困難と挑戦、臆病と勇気。
そのすべてに誰かが介在することで歴代の人間達は閉塞感を乗り越えて来ました。
それは、人間はある対象の第三者として、媒介者になることが出来る。
そして、媒介することで人間は、誰かの何かを引き出す触媒となり影響を与え合う存在になるということです。
しかし、本当にそれだけなのでしょうか。
私たちは本当に、人間が介在することで生まれる”何か”を明らかに出来ているのでしょうか。
それはつまり、私たちはまだ、介在価値について知らないことがあるということです。
そこで私は考えました。
誰かとは、何かであるのではないかと。
そう考えてみると、時に、お金も背中を押してくれる存在であることに気付きます。
つまり、”触媒としての価値がお金にはある”のではないかと考えました。
もっと言えば、お金はすでに、我々の知るお金ではなかったということです。
あなたは、どう考えますか?
※化物語シリーズ とは ※相田みつを とは ※GLAY とは
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