次世代継承学

【第61話】発展途上国は不公平感を拭えていない。

「グレートリセットが必要だ。私たちはコロナパンデミックを契機に、社会の仕組みや価値観を根本から見直し、より持続可能で公正な社会を構築する必要がある。」
途上国支援をされている研究者とお話をした際に、経済と環境の関係について考えさせられる言葉を頂きました。

「グレートリセットは、環境破壊を防ぎつつ経済成長を実現するための革新的なステップである。再生可能エネルギーの普及や循環型社会の構築は、既に多くの国で進行中であり、これが新たな経済モデルの証だ。」
グレートリセットは、経済と環境の調和を図るための重要な一歩だという意見があります。
例えば、EUではグリーンディールが推進されており、経済活動を継続しながら環境への影響を最小限に抑える取り組みが進んでいると。
つまり、持続可能な経済モデルは地道な取り組みによって実現可能だということです。

「持続可能な経済は理想的な概念に過ぎない。現実には、経済成長を維持しつつ環境を保全することは技術的、経済的に大きな挑戦であり、多くの企業や国にとって非現実的な目標だ。」
持続可能な経済は、理想的な目標に過ぎないという意見があります。
現実には、経済成長を追求する過程で環境への負荷は避けられず、特に発展途上国では環境保護よりも経済発展が優先されがちです。
グレートリセットの理念は、現実の経済システムには適合しない可能性が高いのだと。

グレートリセットが提唱する持続可能な経済とは何か。
それは、経済と環境の調和を図るために、従来の線型経済(リニアエコノミー)から循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行です。
しかし一方で、これは理想論に過ぎず、現実の経済活動には適用が難しいという批判があります。
あなたはどう思いますか?

「この対立が起きる背景には、経済成長と環境保護の間のバランスを各国がどう取るべきかという根本的な問題が潜んでいる。」
気候変動への対応が急務とされる中で、環境を考慮した経済モデルへの移行が求められています。
しかし、経済成長を最優先する立場からは、環境保護を経済発展の妨げと捉える意見もあります。

「先進諸国は地球環境保全を優先して再生可能エネルギーの活用に力を入れている。」
例えばEUでは、グリーンディールの一環として、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標を掲げています。
そのため、再生可能エネルギーの普及に力を入れており、2020年には、EUの電力消費の38%が再生可能エネルギーによって賄われました。
これは、化石燃料に依存することなく、経済活動を維持することができることを示しています。

「発展途上国は経済成長を優先させるべく、石炭火力発電の継続を選択したがっている。」
石炭火力発電は、安価で安定した電力供給が可能であるという利点がありますが、温室効果ガスの排出量が非常に多いという欠点を抱えます。
そのため、気候変動対策の観点からは、石炭火力発電の削減や廃止が求められています。
しかし発展途上国では、環境への影響を考慮する余裕がないという状況に陥っています。

「グレートリセットの理念は、主に西洋の価値観や思想に基づいており、他の文化や思想との相容れなさや対立も無視している。」
つまり、先進国で採用されたものが、発展途上国も導入や適用が出来るかというと、困難であるという現実があります。

すなわち、経済と環境の調和を図る取り組みは、国や地域によって異なる状況やニーズに応じて行われる必要があるということです。

ではここで一緒に考えて頂きたいことがあります。
「どうすれば、先進諸国も発展途上国も協調して前に歩めるのでしょうか。」
あなたならどうしますか?

「なぜお前たちは環境汚染をして成長したのに、おれたちはダメなんだ?」
18世紀から19世紀に起きた産業革命は、経済成長や技術革新をもたらしましたが、同時に、環境汚染や社会問題を引き起こしました。

例えば、石炭や石油などの化石燃料の大量消費です。
大気や水質の汚染や温室効果ガスの排出を増やし、また、工場労働や都市生活では、労働者や住民の健康や安全を損ないました。

「地球のことを考えて、経済と環境の調和や協力を目指しましょう。」
しかし、20世紀後半から21世紀になると突然環境運動が盛んになります。
環境運動は、環境問題の認識や啓発を高めるとともに、環境保護や改善のための政策や行動を求めました。

例えば、環境運動は、化学物質の規制や廃棄物の管理、再生可能エネルギーの普及などの法律や規制の制定や改正に影響を与えました。
また、環境運動は、環境に配慮した消費や生活、環境教育や環境倫理などの価値観や思想の普及にも寄与しました。

「地球温暖化を止めるためには、全世界が協力しないといけない!」
そんなことを言われても、発展途上国には不公平感が拭えません。

「資本主義は、環境に対して深刻な影響を与えており、気候変動や生物多様性の喪失などの危機を引き起こしている。」
今、私たちに起きている環境問題は、人類の生存や幸福にとって重大な脅威となっており、無視することはできません。

現状の維持や悪化を容認することは、経済的な利益を短期的に享受することであり、環境的なコストを長期的に負担することを意味します。

これは、持続可能ではない。
それは、世界中どの国のどの役人も分かりきっていることです。

では、どのようなアプローチをすることで、経済成長と環境保護のトレードオフを克服出来るのでしょうか。
それが、私たちに突きつけられている難題です。

もしあなたが発展途上国の立場だったら、どうすれば納得しますか?


※グレートリセット とは ※発展途上国の資源政治学 ※開発経済学-グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション

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