事例分析

【CASE 1】スノーピーク純利益99%減からみた考察

今回は、2023年12月期の決算にて、純利益が前期比99%減少し100万円となったスノーピークについて考察していきます。

結論:あのキャンプ業界の盟主、スノーピークが経営不振に陥ったのは◯◯だから!

キャンプブームに依存をして急成長急拡大を目指していたスノーピークでしたが、コロナ禍によるブームが消失して行くのと同時に経営難に陥ってしまいました。

もちろん新規市場を創出することによって一本足打法を回避しようとはしていましたがここ2~3年で新規市場を構築するには至らなかったようです。

では、何がそうさせてしまったのでしょうか。

スノーピーク2022年12月期 決算説明資料および中期経営計画について

スノーピーク2023年12月期 期末決算説明資料

背景考察

▶考察1
スノーピークは、アウトドア市場に対してキャンプ市場という新しい需要を作り出しました。

コロナ禍によって、それまでほかの趣味やライフスタイルで遊んでいたものができなくなった、その隙間を埋めるためにデイキャンプやファミリーキャンプといった新しい市場を定義したことがスノーピークが生み出した価値の1つです。

とは言え、そもそもライト層を対象として開拓を進めてきたために、もしかしたらキャンプブームのスノーピークというレッテルが貼られてしまい、企業のファンとなるまでの地位は確立できなかったのかもしれません。


▶考察2
別の観点から言えば市場が出来上がって寡占状態になっていくとユーザーが同じものを持つ傾向になります。

それは黎明期に関しては喜ばれますが、古参ユーザーが古参であること、つまり歴史をアピールする手段にならない限り、現代社会の消費欲求が差異によるものである以上、買い替え需要および起こさない限り膠着状態を迎えてしまいます。

すなわちアウトドアグッズというのは、もともと耐久性に優れているため買い換え需要を呼び起こすことがなかなか難しいと考えられますし、新しいアイテム(スノーピークはアイテムやグッズをギアと呼んでいる)を発明するのも難航していたのだと考えられます。


▶考察3
コロナが落ち着き、ライト層が新しいライフスタイルもしくは伝統的なライフスタイルに戻っていったことが売上が落ちてしまった大きな要因と考えられます。

それは顧客育成という観点で言えば、ライト層からヘビー層に移行して行くためのきっかけが足りなかったのかもしれません。

まとめ

スノーピークは、キャンプ場というシーン(When×Where)を提供して、ソロキャンプというきっかけを生み出したことが素晴らしい点です。

とは言え、買い替え需要が起こらない限り、新ジャンルのアイテムを開発するか新規顧客を獲得しなければ頭打ちになってしまいます。

また、一時的に集まってきたライト層をヘビーユーザーに育成することができなかったために、新規事業を展開してもユーザーが付いて来なかったのかも知れません。

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