「自分が作ったものに愛着を込めて過大評価することない?それってイケア効果って言うんですよ、あの家具屋から来てます。自分で作った満足感や達成感はやっぱ格別だよね。」
あるDIY好きの芸能人とお話をした際に、自分の手で何かをすることについて考えさせられる言葉を頂きました。
「自分で家具を組み立てたときの達成感は格別。それがイケア効果なのかもしれない。」
イケア効果はポジティブなものだという意見があります。
自分で作ったものに対する愛着や誇りは、モチベーションの向上や自己効力感の強化に繋がると。
「自分で作った料理が美味しいと思うのは、イケア効果のせいかも。でも、他人から見ればそうでもないかもしれない。」
一方で、イケア効果はネガティブなものだという意見があります。
過度な自己評価は現実の価値判断を歪め、他者とのコミュニケーションや評価に齟齬を生む可能性があると。
イケア効果はポジティブなものか、それともネガティブなものか?
あなたはどう思いますか?
イケア効果は、人々の自己効力感や自己評価の高まりと関連しています。
しかし、この効果が強くなりすぎると、現実の価値判断が歪む可能性がある。
このような背景から、イケア効果をどのように評価するかについての意見が分かれることとなります。
「自分で問題を作成したり、教材を自分の手で選ぶと何だか勉強が捗る気がする!」
もしかしたらあなたも学生時代にそんな経験があったかもしれません。
愛着や誇りは、学習へのモチベーションを向上させます。
「DIYは自分の手で自分の思う自分の好きな体験が出来るのが良い、完成品が欲しくてやっているわけじゃない。」
愛着や誇りを生み出すためのきっかけ。
そこに着目したのがIKEAです。
消費者は、自分で製品をカスタマイズしたり、組み立てたりすることで、製品への評価や購買意欲が高まる。
その喜びをレクチャーして、資材を販売することにシフトしたのがIKEAです。
「自分で仕事内容や目標を設定したり、意思決定に参加すると、仕事が自分事になる気がする!」
主体的な社員、仕事に誇りを持つ社員はどうすれば生まれるのでしょうか。
多くの場合、意思決定の場に立ち会っていないことが原因だったりします。
遅くても、つたなくても。
自分の手で目標を決めて、自分に約束をしてみる。
やがてそれが愛着と誇りに変わり、自己効力感を強化し、仕事へのコミットメントを高めるということです。
しかし、イケア効果は必ずしも客観的な価値判断や他者との調和につながるとは限りません。
例えば、自分で組み立てた家具は自分にとっては高い価値を持つかもしれませんが、他人から見れば安物や粗悪品に見えるかもしれません。
また、自分で作った仕事や目標は自分にとっては有意義かもしれませんが、組織や社会のニーズに合わないかもしれません。
つまり、イケア効果は自己中心的な視点に陥る危険性があるということです。
「投資家が自分で選んだ株式やファンドに対して過大な評価をすることで、市場の動向やリスクに対する感度が低下し、損失を拡大してしまった。」
これは、自分で選んだ投資に対する愛着や誇りが現実の価値判断を歪めた例です。
なまじ、人前で大手を振っていた場合は周囲の目も気にして後に引けなくなることが多々あります。
「自分で作った提案や解決策に対して過大な評価をすることで、他者の意見や要求に対する柔軟性や受容性が低下し、合意形成に支障をきたしてしまう。」
経営者あるあるです。
自分の成功体験と失敗体験、経験値が功を奏して来た場合は他者に委ねることが難しくなることがあります。
ではここで一緒に考えて頂きたいことがあります。
「自発的な社員はどうすれば育てられるのだろうか。」
あなたならどうしますか?
言うに及ばず、その答えを得るために、経営者は研修や講座に費用を掛けています。
「研修を受ける予算があったら、その予算を社員に授けてみてください。」
しかし私はある時、ある経営者にそうお伝えしたことがあります。
結果的にその取組みは、若い世代を中心に組織の硬直化と閉塞感を壊して新たな収益軸を生み出すまでに至りました。
何が起きたのでしょうか。
与えられた企画と計画ではなく、自分の手で作る企画と計画。
出来は決して良くないです。
でも、それを叩かずに、私は一歩前に進む勇気を授けました。
勇気があると、企画と計画を腐らせずに進めていく。
そこに愛情と誇りが芽生えていれば、PDCAサイクルが始まります。
つまり、始めの一歩が完成のレベルを左右するわけでは無いということです。
「始めの一歩は小さくていい、ただ方向性が正しければ。」
出来の良さは、修正と更新と改善でいくらでもどうにでもなります。
周囲に善き第三者がいれば。
あなたなら、自走する社員をどうやって育て上げますか?
※イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか ※自走する組織作りについてより深く知りたい ※組織衰退のメカニズムについてより深く知りたい
社長や上司が一社員に徹底的に寄り添うことが必要だと思います。会社の発展はひとりひとりの社員の成長から始まるものだと思うので、1人を大事にしないとはじまりません。
また上司や社長、会社のことを少しでも好きになってもらうことも大事だと思います。社員が自分1人のことを考えていては組織の中でいい動きができないからです。
自分以外の人や会社全体のためを思わないと、できる範囲に限界があると思います。
そのために時間を作ってひとりと向き合い、この会社で今働いている意味を作っていくことが重要だと思います。
また目標なども決めさせた方がいいと思います。初めは個人の主観で決めてしまうかもしれませんがそれは当たり前だと思います。
こう言う理由でこんな風な売上が必要なんだと、納得感と責任感を持たせること、あくまでも相談した上で本人が決めたと思わせることができると、目標に対する意識も変わると思います。
いつもコメントありがとうございます!
「自分以外の人や会社全体のためを思わないと、できる範囲に限界がある。」
この言葉が印象に残りました。
仰る通りだと思います。
会社を稼ぐための道具として、セカンドプレイスを割り切ったセカンドプレイスと認識することが問題なのかもしれません。
つまり、対話と意識の共有は、セカンドプレイスをアップデートするということです。
とはいえ、ファーストプレイスとサードプレイスになってしまえば営利の果実が実らなくなります。
営利の果実があるから企業は存続が出来ます。
「この場所を守りたい。」
そう想える社員を一人でも増やすために何が出来るのか。
疎外感を生まず、自主性と自制を兼ね備えた状態になること。
それは本当に難しいことだなと。
そんなことを考えさせられました。