次世代継承学

【第131話】文化交流促進 vs 商業主義

「韓国の総合エンターテイメント企業CJ ENMは、香港、ベトナム、シンガポール、そして日本のナゴヤドームや京セラドーム大阪に続いて、昨年東京ドームでMAMA AWARDSという世界最大級のK-POP授賞式を開催している。」

イベンターとして活躍されている方とお話をした際に、エンターテインメントの見え方について考えさせられました。

「文化的な価値を評価するために商業は必要になる。」
文化の価値とは何か。
そもそも価値とは、何かを評価するための基準や尺度です。

そう考えていくと、文化は相対的であるために価値を測ることが出来ません。
だから、相対的な価値とはお金と結びつくことで価値が認識出来るようにする他無いと。

商業の観点から文化的な価値を見ると、文化によってもたらされる経済的な価値や利益、競争力や市場性などによって評価(格付け)が決まります。

「その文化によってどのくらいお金に換算出来るかどうか。」
文化は商業と結びつくことで、ようやくこの定義が使えるようになります。
その上で、K-POP授賞式を日本で行うということについて考えていくと、文化(アーティスト)に対する観点が広がることに気付きます。

中でも今回テーマとしたいのは、アーティストは誰のために何のために存在しているのかという点です。

文化は時に、軍事的な戦略(ソフトパワー)として語られる側面もあります。
ソフトパワーとは、ある特定の商業を世界でより販促するために、好意的に思えるプロモーションを仕掛けることで、市場規模の底上げに貢献させるというものです。

文化とは本来、芸術という分野として語られるべきものではなかったのか?
(市場を創出するために)マーケティングをして、(人気が出るもの)売れるものを狙って提供すること。
それは文化なのだろうか?

「日本はK-POP輸出先ランキングで長年1位を保持しており、そもそも日本は世界第2位の音楽市場規模を持っている。」
アーティスト達は誰のために何のために存在しているのか。
この事実を踏まえると、商業と結びついた文化は本当にクリーンで在り続けることが出来るのかどうか。

私は、文化的な芸術と商業的な芸術で分けるべきではないかとも考えています。
なぜなら、生成AIを用いてこれからますます「クリエイト商材」が溢れかえる時代が来るからです。

そのためにも、今回は文化とは何かについて考えていきます。

「異文化交流の一環だと思う。」

  • 意見1: 海外での開催は異文化理解と相互尊重を促進する。
  • 意見2: 世界的なファンベースを拡大することで、多文化間の架け橋となる。
  • 意見3: アーティストとファンの直接的な交流を通じて、国際的な友好関係を築く。

「金儲けの手段にしか見えない。」

  • 意見1: 高額なチケット価格と授賞式の収益化は、純粋な芸術愛よりも利益追求を優先させている。
  • 意見2: アーティストにギャラを支払わない慣行は、商業主義の一面を示している。
  • 意見3: 授賞式などを通じた大々的なリブランディングは商業的な目標に基づいている。

■文化交流促進

  • 目的: 異文化間の理解と尊重を深め、国際友好を促進する。
  • 建前: 文化的な多様性を通じて世界の平和と繁栄に貢献する。
  • 本音: 国際的な認知度と影響力を高め、自国文化の魅力を世界に広める。
  • 信条: 異なる文化事象を尊重し、違和感から共感へと導くプロセスを大切にする。

商業主義

  • 目的: 最大限の収益を追求し、市場拡大を図る。
  • 建前: 自国の文化を世界に紹介し、国際的な文化交流を促進する。
  • 本音: 経済的利益とブランド価値の向上を優先し、商業的成功を目指す。
  • 信条: 市場のニーズに応え、消費者の関心と投資を最大化すること。

■乖離を埋めるためのきっかけ

■未来を担うべき主体

アーティストとプロダクション
理由: 文化交流の促進と創造性の発展に直接貢献できる。

ファンコミュニティ
理由: ファンとアーティスト間のコミュニケーションを活性化させる。

政府と文化機関
理由: 文化教育の推進と国際交流のサポートを行う。

企業とスポンサー
理由: 持続可能な発展と社会貢献活動の資金提供を担う。

メディアとオンラインプラットフォーム
理由: 透明性と公平性を高める情報の提供とコミュニケーションの場の提供。

■理想と現実の間

グローバルな文化交流の促進

理想: K-POPが世界各国の文化を結びつけ、国際理解と友好を深める。
現実: 言語や文化の壁がまだ大きく、交流の深度に限界がある。
対処法: 多言語対応のコンテンツ拡充と文化教育プログラムの推進。

アーティストの自立と創造性の支援

理想: アーティストが自由に創造活動を行い、多様な音楽を世界に発信する。
現実: 商業主義の圧力により、アーティストの創造性が制限されることがある。
対処法: アーティスト支援基金の設立と創造的自由の保護。

ファンとの直接的なコミュニケーション

理想: アーティストとファンが直接コミュニケーションを取り、深い関係を築く。
現実: SNSなどを通じた間接的なコミュニケーションが主流で、距離感が残る。
対処法: ファンミーティングやオンラインイベントの多様化。

公平な収益分配

理想: 産業内で生み出される収益が公平に分配され、関係者全員が恩恵を受ける。
現実: 収益分配の不均衡が問題となる場合がある。
対処法: 透明性の高い収益分配システムの導入。

持続可能な発展

理想: 環境への配慮と社会貢献を重視した持続可能な産業発展を目指す。
現実: 短期的な利益追求が優先されることがある。
対処法: 環境保護や社会貢献活動への投資拡大。

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