次世代継承学

【第133話】ビッグフレーム工法賛成派 vs 反対派

「住友林業は木造最大手のハウスメーカーであり、林業という社名にふさわしく、国の800分の1の森林を所有しています。住友林業の一番の売りは、ビッグフレーム工法という特許工法で、太い柱を使って鉄骨同等の耐震性を持つ木造住宅を建てることができます。」

ハウスメーカーのご担当者とお話をした際に、木造建築の工法について考えさせられました。

「震災を通じて木造住宅の脆弱性が明らかになった。」
2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。
それは、日本の歴史上最大の地震であり、津波や原発事故などの二次災害も発生し、多くの人命や財産が失われました。

この災害は、日本の住まいづくりにも大きな影響を与えており、特に、木造住宅の耐震性や安全性に関する課題が浮き彫りになりました。

木造住宅は、地震の揺れに対して弾力的に動くという特徴がありますが、それだけでは十分な耐震性や安全性を確保できないのだと。
また、木造住宅は、火災や津波などの二次災害に対しても脆弱であることが分かりました。

このように、東日本大震災は、木造住宅の価値や選択に関する新たな視点や問題意識を生み出しました。

「人生100年時代と言われていても、木造住宅は30年が限界だった。」
それまで、木造住宅の耐用年数は30年と言われていました。
しかし住友林業は、あの日を境に100年時代に向けた大きな一歩を踏み出したそうです。

多くのハウスメーカーが建てることをゴールにしているのに対して、住友林業は建てた後に注目をしたのだと。

一生に一度建てた家が末永く愛されるためにはまだまだ取り組むべきことがあるということで、建てた後の顧客接点を増やしました。
お客様の声を聞いていくと、住んでいる中で新たな要望が生まれることが分かったそうです。
そこで、リフォーム時に大規模な模様変えが選択出来るようにビッグフレーム工法(ラーメン工法)に着手したのだと。

そのために、木材を海外から取り寄せて、徹底的に木材品質を高める努力をしてきたそうです。
さらに、日本一の耐震強度を獲得して、液状化対策にも全力を尽くしてきたそうです。

そんな物語を聞くと、資金繰りの難しさが懸念にあるものの、持ち家の魅力が伝わってきます。
そこで今回は、住友林業が誇る木造のビッグフレーム工法について考えていきたいと思います。

「ビッグフレーム工法が最高だと思う。」

  • 耐震性が高いことで、地震に強い安全な住まいを提供できる。
  • 柱が少なくて済むことで、間取りや窓の自由度が高く、開放感や採光性・通風性を向上させることができる。
  • 木材の品質が高く、吸湿性や断熱性に優れ、住み心地が良い。

「必ずしも良いとは思えない。」

  • 太い柱を使うことで、木材の消費量が多くなり、森林資源の枯渇や環境破壊につながる恐れがある。
  • 建設費や解体費が高く、他の木造住宅に比べて経済的に不利である。
  • 金物接合による構造が、木造住宅の伝統的な技法や美意識と相容れないという批判がある。

ビッグフレーム工法推進派

  • 目的: 木造住宅の耐震性と自由度を高め、住まいづくりの可能性を広げる。
  • 建前: ビッグフレーム工法は、日本の自然災害に対応した強靭な構造であり、国産の木材を使用することも可能である。
  • 本音: 住友林業の独自技術であり、他社との差別化を図ることができる。また、構造設計の自動化はコスト削減や納期短縮につながる。
  • 信条: ビッグフレーム工法は、木造住宅の未来を切り開く革新的な技術であり、住まいづくりの夢を叶えることができる。

■ビッグフレーム工法反対派

  • 目的: 自然環境や伝統的な木造住宅の価値を守る。
  • 建前: ビッグフレーム工法は、外国産の木材を多用し、日本の森林資源を無視している。また、構造設計の自動化は人間の技術や経験を軽視している。
  • 本音: 自分たちの仕事や利益が奪われる恐れがある。また、構造設計の自動化は人間の判断や責任を奪う危険がある。
  • 信条: ビッグフレーム工法は、木造住宅の本質を見失った非常識な技術であり、住まいづくりの価値を下げることになる。

■乖離を埋めるためのきっかけ

■未来を担うべき主体

  • 住友林業
    • 理由/手段: ビッグフレーム工法の開発者・提供者として、技術の改善や普及に責任がある。
      そのために、ビッグフレーム工法の価値やメリットを広く知ってもらうために、広告や口コミを活用する。
      また、ビッグフレーム工法の価格競争力を高めるために、材料や工法の改良や効率化を図る。
  • 木造住宅の利用者
    • 理由/手段: 木造住宅の価値を実感する人として、自分のニーズや予算に合った住まいを選ぶ権利がある。
      そのために、ビッグフレーム工法や他の工法の特徴や比較を理解し、自分にとって最適な住まいづくりの方法を探す。
  • 木造住宅の関係者
    • 理由/手段: 木造住宅の価値を創造する人として、自分の仕事や技術に誇りを持つ義務がある。
      そのために、ビッグフレーム工法や他の工法の技術や知識を学び、自分の専門性や経験を高める。
      また、木造住宅の価値を高めるために、協力や連携を図る。
  • 一般社会
    • 理由/手段: 木造住宅の価値を評価する人として、自分の住環境や文化に関心を持つ必要がある。
      そのために、ビッグフレーム工法や他の工法の影響や効果を客観的に判断し、自分の価値観やライフスタイルに合った住まいづくりの在り方を考える。

■理想と現実の間を問う仮説

木造住宅の価値は、自然素材や伝統的な技法によって決まるという仮説

理想: 木造住宅は、自然と調和し、歴史や文化を反映した美しい住まいである
現実: 木造住宅は、耐久性や安全性に劣り、環境やニーズに応えることが難しい住まいである
対処法: 木造住宅の耐久性や安全性を向上させる技術や工法を開発し、自然素材や伝統的な技法の魅力を伝える

木造住宅の価値は、耐震性や自由度などの多様な要素によって決まるという仮説

理想: 木造住宅は、自然災害に強く、自分の好みやライフスタイルに合わせて設計できる住まいである
現実: 木造住宅は、他の工法と比べて高価であり、予算や敷地の制約から選択できない場合がある住まいである
対処法: 木造住宅の価格競争力を高めるために、材料や工法の改良や効率化を図り、木造住宅のメリットを分かりやすく説明する

木造住宅の価値は、環境やコストの面でも考慮されるという仮説

理想: 木造住宅は、環境に優しく、経済的にも有利な住まいである
現実: 木造住宅は、外国産の木材を多用し、日本の森林資源を無視しているという批判がある住まいである
対処法: 木造住宅の環境への配慮や国産の木材の活用について、積極的に情報発信し、社会的な理解を得る

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