次世代継承学

【第24話】欲しいものは、求めていたものではない。

「消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。完成する頃には、彼らは新しいものを欲しがるだろう。」
起業家のスティーブ・ジョブズ氏は、製品開発をする上でとても考えさせられる言葉を残されています。

「消費者の声を最も大切にし、その声に基づいて製品を開発することが成功の鍵だ。」
消費者の要望を無視することは、市場のニーズを見逃すことにつながるという意見があります。

消費者の意見や要望を収集し、それに基づいて製品を開発する。
消費者中心の製品開発を進めること。
言い換えればそれは、マーケットリサーチの思考です。

現在の消費者の声を大切にし、それに応える製品やサービスを提供する。

しかしそれは、過去のデータや現在の消費者の意見に基づいているため、未来の変化や新しい市場の動向を予測するのは難しい。
そして、既存の市場や消費者のニーズに焦点を当てるあまり、真に革新的なアイディアや製品を生み出すのが難しくなることがあります。

「既存の市場や価値網を破壊するような革新的な製品を開発することで、新しい市場や価値を創出することができる。」
一方、消費者の現在の欲求に囚われることなく、未来の可能性を追求するという意見があります。

既存の市場や価値網を破壊するような革新的な製品やサービスを開発する。
先進的な製品開発を進めること。
言い換えればそれは、破壊的イノベーションの思考です。

現在の市場や消費者の声を超えて、新しい価値を創出する。

しかしそれは、既存の市場やビジネスモデルを破壊するため、成功するまでの道のりが困難でリスクを伴う。
そして、革新的すぎる製品やサービスは、市場から受け入れられにくいことがあります。
ゆえに、だからこそ、GAFAの凄さが際立つとも考えることが出来るでしょう。

では、そもそもなぜこのような問題提起が必要なのでしょうか。

「変わる世界と変わらぬ想い。」
企業は、新しい市場の創出と既存市場の維持の両方を実現する可能性が欲しい。
消費者は、現在の欲求が満たされつつ、新しい価値や体験が欲しい。

VUCAと言われる時代においても、それは変わりません。
むしろ、それが満たされないからVUCAという名前を付けて警鐘しているとさえも言えます。

「技術進化の速さは、消費者の欲求の変化の速さでもある。」
消費者の欲求は変動的であり、製品が市場に出るまでの時間に、その欲求が変わる可能性があります。
その意味では、欲求をコントロールすることが顧客育成と考えることも出来ます。

「現在のニーズに応えるか、未来のニーズを創出するか。」
言い換えれば、現在の欲求と未来の可能性のどちらに重きを置くか。

「現在の状況に満足するか、新しい可能性を追求するか。」
そして私たちもまた、常日頃選択を迫られています。

消費と供給を予測して突き詰めた先で、幸せはどう定義されていくのでしょうか。
もしかしたら、第三の価値がどこかにあるのかもしれませんね。

あなたはどう思いますか?


※GAFA とは ※破壊的イノベーション とは ※ラジアータストーリーズ とは

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