次世代継承学

【第46話】人は生まれながらにして平等ですか?

「男女の違いや個人の選択を尊重しつつ、男女の協力や相互理解を促進することでより良い社会が実現できる。」
ジェンダーについて研究されている社会学者とお話した際に、役割と平等性について考えさせられる言葉を頂きました。

「男女及び、各個人の役割が分担されていた方が、家庭や職場でのトラブルが少なかった。」
役割分担が明確な社会の方が個々人が円滑に機能することが出来るという意見があります。
例えば、男性は外で働き、女性は家庭で家事や育児をするというパターンです。

それは、伝統的な家族制度や性別役割分業に基づいています。

「男女平等は、多様性を尊重し、それぞれの能力を最大限に活かすことができる社会を作り出している。」
一方、すべての人々に平等な機会を提供することで、より公正で進歩的な社会を築けるという意見があります。
例えば、男性と女性が共に外で働き、家庭で家事や育児を分担するというパターンです。

それは、近代化や産業化に伴って出現したもので、男性と女性の能力や責任は同等であると考えられます。

役割分担が明確な社会を望むのか、それとも平等に機会が提供される社会を望むか。
あなたはどう思いますか?

日本の歴史を見ると、戦後の高度経済成長期には、男性が働き、女性が家庭を守るという役割分担が一般的でした。
しかし、経済の変動や女性の社会進出、フェミニズムの影響などにより、男女平等の考え方が浸透してきました。
この変化は、経済的な背景や文化的な要因、教育の普及など、多くの要因に起因しています。

「男性は専業主夫であり、女性は専業主婦であるという役割分担が在るべき家族の姿だ。」
戦後の高度経済成長期。
男性が終身雇用や年功序列といった安定した雇用制度の恩恵を受け、女性が家庭内で家事や育児を担いました。

それは、男性の労働力を支えるという経済的な合理性に基づいていました。
また、このような役割分担によって、日本の社会は経済的な発展や社会的な秩序を達成したと考えられます。

しかし、役割を明確に規定することは、時に人権や自由を無視するという欠点があります。

例えば、アフガニスタンでは、タリバン政権下で女性は教育や就労などの機会を奪われ、暴力や差別にさらされました。
それは、女性の尊厳や幸福を著しく損なうものであり、国際的な非難を受けました。

「男女の能力や貢献を公平に評価し、男女の役割分担や選択肢を多様化することが重要だ。」
スウェーデンでは、男女平等政策が積極的に推進されています。
男女の雇用率や政治参画率、教育水準などが高く、ジェンダーギャップ指数でも常に上位にランクされています。

それは、個人の幸福や社会の福祉を高めるという人権的な理念に基づいています。
また、このような男女平等政策によって、スウェーデンの社会は民主的な参加やイノベーションを促進していると考えられます。

しかし、すべての人々に平等な機会を提供することは、個人の選択と結果責任まで及ばないという欠点があります。

例えば、そのためにセーフティネットを強化しようと思えば、財政基盤を整える必要があります。
おおよそ税金が投入されるわけですが、個人の幸福を追求する人々が他人にどこまで寛容でいられるのでしょうか。

ではここで、あなたと一緒に考えていきたいことがあります。
男性の幸せと女性の幸せは共通なのでしょうか。
あなたはどう思いますか?

19世紀のヨーロッパの産業革命時代。
男性が工場で働き、女性は家庭を守るという役割分担が強化されました。
しかし、第一次世界大戦や第二次世界大戦の際には、多くの男性が戦場に行き、女性が工場で働くようになりました。

これにより、女性の社会進出のきっかけが生まれ、20世紀後半には男女平等の動きが強まってきました。

「女性にも男性と同じように選挙権や被選挙権を与えよ。」
女性参政権運動。
19世紀から20世紀にかけて欧米や日本などの国々で起きた運動です。

それは、男尊女卑社会と男女平等社会の間の対立や転換を象徴するものです。
しかし、この運動は男性の抵抗や反対に遭い、多くの困難や苦闘を経験しました。

「男女の役割は、生まれつきのものなのか、それとも社会的に形成されるものなのか?」
環境によって育ち、状況に左右されるのが人間です。

しかし理念上は、人間は生まれた時から平等な存在と言われています。

「男性には男性の幸せがあり、女性には女性の幸せがある。」
では、これは作られた幻想なのでしょうか。

あなたは、どう思いますか?


※ジェンダー とは ※男女平等社会についてより深く知りたい ※なぜ男女の賃金に格差があるのか

未来を予測する”きっかけ”を生み出すメルマガ

似たような情報や視点に囲まれてしまう現代社会。
この先もネットの情報はますますあなたに
最適化されていきます。

でもそれで本当に良かったのだろうか?

成功事例の横展開が業界にイノベーションをもたらすように、
身近でない情報が実は突破の糸口になったりする。

共通点を繋ぎ、線と面で捉え直すこと。

それが我々の贈る言葉の特色であり、
情報から光を引き出す編纂技術だと考えています。

考えるきっかけとなるイベント情報や新着記事を
メールでお届けいたします

関連記事

コメント

  1. 西山

    こちら非常に興味深いです。
    よく考える事のひとつに、
    所謂日本人がよくイメージする『普通の家庭』を目指すと、30%の確率で離婚したり、
    離婚したいけど経済的な理由で離婚ができない。
    という状態になる確率が高すぎないか?
    であれば『普通の家庭』を目指すよりも、普通に囚われずに自分たちがうまくいくやり方を模索した方がいいはず。とよく考えます。

    女性の幸せと、男性の幸せが違うのであれば、知りたいです。

    世間的には、子どもができたら子どもを第一優先にするべきだという風潮がありますが、私は、夫婦2人が豊かに過ごせる事を第一優先にして、その上で子どもに愛を注いだ方が、長期的に見てもいいんじゃないかなと考えます。

    あまり理解されない気がするので、普段人には言えないのですが、、
    こういったお話もいつかコーチとさせていただけたら嬉しいです。

    • 青木コーチ

      コメントありがとうございます。

      「普通に囚われずに自分たちがうまくいくやり方を模索した方がいいはず。」
      この言葉が印象に残りました。

      なぜそれが出来ないのかを考えさせられました。
      もしかしたら、夫婦といえども常識と権威性が邪魔をしているのかもしれません。

      「言えば分かることだけど、言わなかったことで、後で大きな問題になった。」
      それは、言わないのか言えないのか。
      多くの場合は、変に思われたくない、或いは気を使って言えないことがあるのかなと。

      「嫌われたらどうしよう。」
      男はこうでなければ、私はこうでなければ。
      脳裏にチラつく悪い未来を克服するためには、落ち着いて話せる場作りが必要なのかなと。
      場作りを疎かにすると、話し合いが一方的になりがちですから。

      言いたいことが言い合える関係が理想と仰る方もいます。
      そのためにも、やはり言える関係の前に、言える環境を作ることが大切だなと。
      そんなことを考えさせられました。

CAPTCHA